別れるための28日の蜜日
でも、その方がいい時もあるんだよ。

心の中で自分にそっと言ってみる。ちょっとでも傷が浅くなるように。




午後の仕事をさばいていたら、香苗から内線が入った。

「どうしてもあんたの話聞きたかったんだけど、今日は帰れる予感がまったくしない。話はまた今度!」

人事部、やっぱり大変そうだな。
香苗が自分の言いたい事だけ言って切られた内線を見つめて思う。

私のいる総務も来月になれば忙しくなる。でも今はまだ大丈夫。

だからこそ、私は作戦を始めたのだ。


「山内さん、受話器がどうかした?」

後ろから声をかけられて、ビクッとした。

「あぁっ、ごめんね。そんなに驚かすつもりはなかったんだけど、山内さん受話器見つめたままフリーズしちゃってたから。
大丈夫?なんかショックな電話だった?」

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