別れるための28日の蜜日
歯ブラシやお箸、お茶碗とお気に入りのマグカップは全部捨てていくためにごみ袋にまとめた。

律人のマンションは24時間、ごみが出せる。住人は地下の集積室に持って行きさえすればいい。

この部屋に住んでから、なんて便利なの!と感激していたけど、まさかこんな場面でも助かるとは思わなかった。



私のモノを片付けると、律人の部屋はなんだか他人行儀に感じた。リビングも寝室も律人が使ってるそのままなのに、変な感じ。

「ありがとうございました」

そっと壁を撫でながら部屋にお礼を言った。



2週間住ませてくれてありがとう。おかげで後悔しない完璧なお別れが出来そうです。



律人には言えないお礼を部屋に言ってから、スマホをタップした。

「おはようございます。準備出来たのでお願いします」
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