別れるための28日の蜜日
「そんな驚く事に?俺だって普通にヤキモチだって焼くし、好きなオンナを束縛したい気持ちもあるよ」

「で、でも、今まで全然束縛とかなかったし‥‥ヤキモチだってこっちが不安になるくらい何にも‥‥」

「それはっ!」

なんとか返事をする私の言葉に被せるように律人が大きな声を出した。

「同期で飲んだ時に、百合がヤキモチ焼く男なんて自分に自信がないだけだって‥‥束縛なんて最低だって‥‥」

最初は大きかった声がどんどん小さくなって最後はやっと聞き取れる程度まで小さくなっていった。

そしてまだポカンとしたままの私に向き直ると、大きく深呼吸をして真っ直ぐに見つめてきた。

「百合に好きでいて欲しくて、百合にがっかりされたくなくて、必死に頑張ってきた。今の仕事や立場だって、ホントは逃げ出したくなる時もいっぱいあるけど、百合に惚れ続けてもらうために、毎日必死なんだ」


律人の言葉はきちんと聞こえているけど、理解出来ない私はポカンとアホ顔のままだ。
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