別れるための28日の蜜日
そのまま、ぎゅうっと律人の胸に押し付けるように抱きしめられた。

トクントクンといつもより早い鼓動に、律人も緊張してるんだなぁと思ったら、不思議と気持ちが落ち着いた。

強気な態度で営業してるくせに、その裏でホントは凄くドキドキしてるんだって言ってた律人。全然違う人になったみたいに感じて不安になってたけど、根っこのトコロは何にも変わってなかったんだ。


私の強張っていた体から、力が抜けたのを感じたのだろう。両肩を掴まれて体を離すと、真っ直ぐに見つめられた。

「こんな展開で言うの本当にカッコ悪くて情けないと思うけど。でも、カッコつけて後悔したくないから」

スゥっと小さく息を吸う律人が少し震えた。


「百合、俺と一緒に生きてください」








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