別れるための28日の蜜日
「えっ!?だって山内さん、彼氏いるんでしょ?」

オフィスラブの鉄則を踏襲して、私は誰と付き合ってるかは言ってないけど、彼氏がいる事は隠してない。

「ええ。でも彼氏さん、甘いもの苦手なんですよ。それと、ちょっと町田主任にお願いがありまして‥‥」

いいですか?と少し首を傾げて言ってみる。こんな女子な仕草、ちょっとこっぱずかしい。

「ああ、なるほど。それだったら付き合ってもらおうかな」

優しくプーさんスマイルで了解してくれた町田さんの言葉にセクシャルな匂いは全くない。
すいません、それを利用します。似合わないのに悪女っぽくやってみようと思ってます。

脳内で、懺悔して町田さんを拝んでおいた。




その日の終業後は同期で飲み会。忙しい香苗も無理矢理終わらせて来た、と出席してる。

同期は入社時に20人いたけど、結婚退職したコもいるし地方に配属されたヤツもいて、こうして飲みに来れるのは数人。今日は私と香苗含めて7人だけだった。
< 26 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop