別れるための28日の蜜日
2月14日
いくら悲劇のヒロインになって浸ってみたところで現実が動くわけじゃない。計画だって進まない。

ランチの時間に少しだけ会えるとメールをくれた律人にチョコレートを持って会いにいった。

「折角チョコレート用意してくれたのに、こんな慌ただしくしか会えなくてごめん」

「あやまらないでよ。先週だって一緒にいられたんだし。今日だった時間つくってくれてありがと」

日曜日だったから泊まれなかったけど。それでも久しぶりに一緒にゆっくりと過ごせて幸せだった。

「それに、お店の予約もありがとうね。最近来れてなかったから嬉しい」

律人が連れてきてくれたのは、私の好きな欧風料理の店。立地が少し悪くて車でないと来るのが難しいから、私は律人と一緒にしか来た事がない。

「俺も久しぶりにここのハンバーグ食べたかったんだ」

優しく笑う律人は、ずっと前から知ってる私が好きになった律人だ。

「律人、ハンバーグ好きだもんね」
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