別れるための28日の蜜日
「どうするよ、私」

パウダールームの鏡に映る自分に話しかけてみた。鏡に映る私はひどく不安げでいつもよりブサイクに見える。


こんな顔が最後に見せる顔とかイヤだなぁ。せめて笑ってる顔を思い出して欲しい。



「んー‥‥‥最後に甘えちゃってもいいかな?」

鏡の自分に聞く。ホントはちゃんと答えは出てるけど、自分自身への確認。


これが最後のワガママ。どんなにイヤでもツラくても、もう計画変更はしない。


「うん、笑おう。」

無理に口角を上げたら、鏡の中の私が変な顔で笑った。変だけど、まるで「頑張って!」って励ましてるみたいな笑顔。

その笑顔にコクンとひとつ頷いて、私は律人の待つテーブルにもどった。変更した計画をどう実行するか、シュミレーションしながら。



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