別れるための28日の蜜日
付き合って3年、何度もお互いの部屋に泊まっている。

「俺、多分来週は出張入ってるけどいい?」

「うん、私はいいけど‥‥なんかごめんね」

「いや、百合がいいなら俺は全然構わないから」

相変わらず視線は横を向いたままだけど、律人の表情は柔らかい。迷惑だと思っていないのが分かってほっとした。

「あ!じゃあさ、このまま百合の部屋に行って荷物取ってくる?俺、それくらいなら時間あるし」

ハッとこちらに向き直って律人が言ってくれた。

2週間、通勤に使う服を頑張って着まわしたとしても相当な量の服になる。

明日、仕事帰りにその量の荷物を持って律人の部屋に行くのも、正直、重労働になる。律人が車を出してくれるなら助かるし、今日から泊まることが出来る。

「いいの?時間、大丈夫?」

「大丈夫。この後仕事はあるけど、アポイントがあるわけじゃないから」
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