別れるための28日の蜜日
「そんなの気にしないでいいよ。私も早く帰れる予定だから、つくるつもりだったし。律人はちゃんとお仕事してきて」

律人の将来を考えての計画なのに、律人の仕事の邪魔をしては本末転倒だ。にっこり笑って絶対私が作ると宣言すると、少し苦いながら了承の微笑みをくれた。

「でも百合も仕事あるんだから無理はするなよ。2人とも忙しかったら外で食べたらいいんだから」

この優しさも満喫しよう。私は、コクンと頷いて笑った。



そんな優しくてキラキラした2人の朝の時間。思い出すと恥ずかしくって転げまわりたくなる。

「朝っぱらから、何ニヤついてんの?」

突然、背後から香苗に話しかけられて、ビクンっと背中が伸びる。

「に、ニヤついてなんてないわよ」

振り向いて答えながら、両手で頬は隠してしまう。自分でニヤついてる自覚はあるから。

「そんな慌てなくていいわよ。おはよう」
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