別れるための28日の蜜日
慰めるように言ってくれた香苗に弱々しく頷いて笑った。

「そうかも。罪悪感も持たなくてすみそうだし」

「‥‥‥あんたが罪悪感持たなきゃいけない相手は別でしょうが。計画の変更、まだアリだからね?」

香苗の言葉に動きが止まった瞬間、メールの着信音が鳴った。

「稲垣君?」

スマホを確認する私に聞いて来た香苗に、首を振って答えた。

「ううん、飯島君。なんだろ」

タップして内容を確認して、コクンと息をのんだ。

「‥‥香苗、計画の変更はナシみたい」

飯島君からのメールは私への確認だった。



『稲垣から山内の事聞いてくるメールあった。なんも知らないって返しといたけど、それでいいんだよな?稲垣、なんかすげえ不安そうだったぞ。俺、山内信じていいよな?』

< 89 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop