別れるための28日の蜜日
飯島君は律人と仲が良い。一緒に営業で働いてる時もお互いが信頼しあってるのが、外から見ててもよく分かったし、その関係は今でも変わらないんだろう。


律人はもう気づき出してる。ずっとベッドでくっついていたがったのは、やっぱりそのせいだったんだ。

それなら、やっぱり計画変更は出来ない。律人にもイヤな思いさせといて、なかった事には出来ない。このまま突き進んで、未来の幸せの為の糧にさせるんだ。

「返信しないとだよね」

とは言ってみたものの、指はまったく動かない。私を信じてるって言ってくれてる飯島君を安心させる返信を書かなきゃいけないのに。

「‥‥百合、飯島君には私からメールしとくよ。だからもう、そんな泣きそうな顔しないでよ」

「香苗、ありがと。でもこれは私が書かなきゃいけない返事だから」

私に泣きそうな顔って言った香苗の顔こそ、今にも泣きそうだ。きっとわたしのが伝染しちゃったんだろう。

その後、急いで食べたパスタはいつもよりしょっぱかった。
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