偽りの翼Ⅱ



千尋くんは悲しい目をしていた




「なんでそんなこと言うの………?」




「俺の元カ………俺の知り合いは両親の手で政略結婚をすることになったんだ」




「政略結婚……?」




少し前にテレビで見たやつ……




こんなに身近で起こっているんだ




「相手を選べない奴だっているんだ。花恋はただルールに縛られているだけだろ?


そのルールは決して破れないものではない。


むしろ簡単にやぶれるものだ」




確かに、そうなのかもしれない




でも、…………怖いの



裕翔と別れてしまったら、月影にいれなくなるかもしれない……



それに、千尋くんが気になっていることを話すことになれば…もう………




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