偽りの翼Ⅱ



――――――――――


――




「裕翔、私ね…千尋くんのことが好きみたい」




「……は?」



目の前にいる裕翔は目を大きく見開いた




「ごめんね、裕翔。」




「待てよ、…どういうことだよ」




「最初は…裕翔の事好きになれると思ってた。でもね………だめだった。」  



千尋くんが好きってことに気づいたの。




「最初から、花恋の気持ちが俺に向いてないことはわかってた。」

 

そういう裕翔。



「でも、それでもいいと思ってしまったんだよな。俺が、ダメだったのかも」




諦めたように呟く裕翔に私は何も言えなかった



「花恋は、俺と別れても月影にいてくれる?」




急にそう言い出した裕翔。   




「逆に、いても、いいの…?」




「花恋がいてくれるなら別れようと思う」




「なん、で…っ」





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