偽りの翼Ⅱ




「千尋、こいつ借りてくわ」




花恋の手を取りそう言う透




「無理」




俺は断った




何するかわかんねぇし、




花恋を一人にするわけにはいかねえ




「帰りは俺がしっかり送ってくからさ」




そういう透だけど…




「一度花恋を裏切った奴のことを信頼できるわけねぇだろ?」




少し強めに言ってみる。





「大丈夫、そんなこともうしねぇって誓ったから」





言い返してくると思ったが思ったよりもまともな返事が帰ってきた




「早めに帰ってこいよ、花恋……」



少しだけなら…と思い、花恋にそう告げた








「うん、千尋くん待っててね」






待ってるよ、いつまでも………



花恋と透は俺とは別方向に歩いて行った










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