偽りの翼Ⅱ



「今から、千尋が迎えに来るから。……待ってろよ」




私を後ろから抱きしめてそう言う透



一度は愛した男にこんなことされると…



ドキドキしたくもないのにドキドキしちゃう



「なんで、抱きしめるの?」



「別に」



特に意味はないと言わんばかりにそういう彼。




ドキドキしたわたしがばかみたい




「そろそろかな〜」




透がそう呟いたとき、




ピンポーン




「おお、そろそろ来たか」




「え、だれが?」




まさか、本当に千尋くんが…?




「はーい」




ニヤリと笑って彼は玄関へ向かった




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