偽りの翼Ⅱ
「花恋、こっちおいで」
透にそう言われたので、行くと急に壁に押しつけられた
「えっ、透っ!?…………ひゃ!?」
透の長い指で頬をなぞられた
「なにすんのっ、透」
変な声、聞かれてしまっただろうか?
ドアの向こうから
「おい、花恋!ここにいるんだろ!?」
千尋くんの荒い声。
なんでそんなに大きな声なんだろう
「透、離してっ」
早く千尋くんのところに行かなくちゃいけないんだからっ
「まだ、もうちょっと」