偽りの翼Ⅱ



そんなことを思っているうちに



「てめえ、花恋に何したんだよ!」



千尋くんが透に殴りかかった



「わ、わっ、なにしてんの千尋くんっ」



「花恋は黙ってろよ」



威圧的な千尋くんの声




「別にいーだろ?…お前には関係ねえ」




不敵に笑う透




そんな、喧嘩沙汰になるようなこと起こってないよね!?




「なんでそんなキレてるの、千尋くん…」




「花恋は、透のことが好きなのか?」




いきなりそう聞く千尋くん。




な、なんでそうなる…




「んなわけないじゃんっ」




一度捨てられたんだよ、わたし。




今ここで一緒の空気を吸っていることが奇跡なくらい、私はあいつを嫌ったんだよ!?






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