偽りの翼Ⅱ



「ごめん、俺…もっとかっこよく告白するつもりだったのに…。」




そういう彼は少し落ち込んでいる。



なんて声をかけていいかわからなくて




声をかけようとしても声が出なくて





再び沈黙が流れた




でも、すぐに彼は口を開いた





「花恋は………花恋は、俺のことどう思ってる…?」



私は………千尋くんのことが好き。




だけど、言葉にしようとするととてつもなく恥ずかしい




「…………………」




好きって言葉がこんなに簡単に出ないものなんて。




透と付き合ってた頃には言えたのに。





「俺は、花恋のことが好き。………花恋は?」


 

千尋くんは、私の言えない言葉をサラッと言った





彼は優しく笑っていて。




私の心を見透かしているようにも見える




「……………私も」





ポツリ、誰にも聞こえないような……小さな声がやっと出た





「………?聞こえない。」






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