偽りの翼Ⅱ
目が覚めると、いつも自分が寝ている部屋じゃないことに気づいた
「―――っ!」
そのとき、急な頭痛に襲われた
千尋を起こすわけには行かない。
時間が経てば、いくらか頭痛は緩和された
まだ、頭がぼーっとしている
この部屋は、どこ?
そして昨日のことを思い出してここが千尋の部屋だということに気づく
瞬間、顔に火がついたかのように顔が熱を持ったのがわかった
隣には千尋の寝顔。
体を起こしてみると上半身はすこし大きめのシャツに包まれている
千尋が着せてくれたのだろうか……
チャリ…
何か、音がした
自分の胸元にはforeverloveとかかれたドッグタグ。
そこに、T to K と掘られているのがわかる
千尋から花恋へ………
嬉しくて涙が出そうだ
昨日言っていた忘れ物…ってこれの事だったんだ………
横を見るとまだ寝ている千尋。
昨日はあんまり見なかったけど間近で見るとよく鍛えられた体だなあ
上半身を見て、そう思う
頭痛のことも忘れて
「ありがとう」
私はその横顔にそう呟いた