偽りの翼Ⅱ




「んっ…」



目をこすり目を開ける千尋。



「………ごめん、起こした?」



私がそう問いかけると




「おはよう」




そう、返事が帰ってきた




「千尋、…これありがとう」




ドッグタグを手にそう言うと、




「欲しそうだったから」




何気ない言葉を聞いてくれていたことに嬉しさがこみ上げる。




「大好き」




そういえば、




「まだ朝だから…そういうのは夜にな?」




わたし、大好きって言っただけなのに…





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