偽りの翼Ⅱ



行為が終わったあと、私と千尋は裸のままベッドに寝っ転がっていた




「なあ、花恋」




「ん?」




「花恋はずっとここにいるよな?……消えたりなんかしないよな?」




千尋が突然そんなことを言った




「なに?…千尋、どうしたの?」




「なんだか、花恋が消えてしまうような気がするんだ」




どうしてそんなことを言うのだろうか。




私は、今。ここにいるのに。




「消えたりなんかしないよ…」



この言葉で彼を安心させてあげることができるのだろうか。




「そっか、そうだよな…ごめん、変なこと言って。」





「ううん。気にしないで……」





しばらくすると、千尋は眠りについた。




それを見た私もその後夢の中に誘われた。








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