偽りの翼Ⅱ
俺は花恋の病室にはいった
頭にぐるぐる巻きの包帯。
強く頭を打ち付けたのだろう。
どれほどの痛みだったのか、想像するだけで身の毛がよだつ
近くにいたのにもかかわらず助けてやれなかった自分が無力で。
今ここにいても何をしてあげることもできない自分が嫌で嫌でしょうがなかった
「花恋、目ぇ覚ませよ…」
覇気のない自分の声
自分が月影の幹部だなんて思えない
それぐらい、俺は弱かった
そこで何時間ボーッとしていただろうか
コンコン
ドアのノック音がして。
「やっぱりここにいたのか。……話がある、聞く準備は出来ているか?」