偽りの翼Ⅱ



「千尋くん、花恋ちゃんのことで話がある。…もう、親戚の方には話したんだけどね」




そう言い、先生は俺を近くの部屋に案内した




「千尋くん、君はすべてを受け入れる覚悟はできているか?」




彼は、そう言う




出来てるわけ、ないじゃないか




何を聞かされてもすべてを嘘だと思ってしまうだろう。




でも、聞かないと。




「はい…………」




「では、話すよ。…花恋ちゃんの脳腫瘍はグレード4。余命は、一年だ。」




余命…………




俺は頭が真っ白になった





嘘、だ




嘘だ嘘だ嘘だ




< 227 / 360 >

この作品をシェア

pagetop