偽りの翼Ⅱ
「楽しいわよ〜」
本当に楽しそうに、お母さんは笑った
「ねぇ、お母さん」
お母さんにね、話したいことが、聞きたいことがいっぱいあるの
「なぁに?」
「私のために、ありがとう」
いつだって、私のために。
事件のときは、私のために隠してくれて。
事故のときには、私を守ってくれて。
亡くなってしまっても、夢の中まででてきてくれて。
ねぇ、お母さん。この先に、なにか……あるんでしょう?
さっきの意味深な言葉……
お母さんは何か私に伝えるために、ここにでてきてくれたんでしょ?
「ど、どうしたのよ急に」
少し驚いた様子だ
「私、事故にあった」