偽りの翼Ⅱ
「検査の結果だけど………」
次の日俺は病院から呼び出された。
「君の存在を…………彼女は忘れているようだ。」
全てが壊れた気がした。
積み上げたものが。
崩れていった。
「花恋が、俺を…」
「一時的なものかもしれないし、もしかしたら二度と、思い出せないかもしれない」
あまりにも………
ひどい現実。
「千尋くん……。」
俺を見て苦しそうに櫻田先生は言った
「もし、君が花恋ちゃんを大切にするなら…………少し、彼女と距離を取るべきだ」
静かな声で告げられたのは…………
あまりにも、残酷な言葉。