偽りの翼Ⅱ
「え?」
……櫻田先生はわかっていたのだろうか?
「少し、昔話をしてもいいかな?」
櫻田先生は俺にそういった
「え?…………あ、聞かせてください」
俺がそう言うと櫻田先生はニコリと笑って話し始めた
「あれは、秋だったかなぁ?」
櫻田先生には昔から片思いをしていた幼なじみがいたそうだ。
ずっと前からその子のことが好きで秋に告白したという。
でも、彼女には好きな人がいた。
「その子―――――このはと言うんだけれどね、このはにも前から好きだった男の子がいた。」
でも、告白は意外にもおっけーで櫻田先生は飛び跳ねるように喜んだ、らしい。
「でもね、このはが僕を見ていないことは誰が見てもわかるくらいだったよ」
櫻田先生は笑った。