偽りの翼Ⅱ
「そろそろ時間だ。じゃあ僕は行くよ」
櫻田先生は手をひらひらさせながら去っていった。
―――――なんか、かっこいいなぁ。
人生を経験してきたからこそ、ああいう言葉が言えるんだと思う。
櫻田先生のいうとおり、じっくり考えてみよう。
未来を見据えて。
その未来には花恋がきっといるはずだから。
俺は透にLINEをした
〈ごめん、先帰るわ。〉
俺は歩き出した。
家に向かって。
花恋と一言しか会話を交わせないままだったけど…
時間はまだ、あるんだ。