偽りの翼Ⅱ

決断

――――――――――――


――――



お袋が死んでから同居しているおじさんにそう言われた。



「千尋。おじさん、転勤することになった。」



衝撃的な現実を突きつけられたのは、



あれから1週間が経とうとしている頃だった



「へ？」



俺の口から漏れたのはあまりに間抜け過ぎて。




「東京に行くことなったの。千尋は…どうしたい？」



いやいやいやいや………




そりゃ残るに決ま…………………




「…………考えとく」




東京に行くこともひとつの手だと思ったから。




距離的にはあまり離れていないんだけど。





それがきっかけなのかもしれないから。




「そう。なるべく早めにお願いね？」




おばさんもそう言う