偽りの翼Ⅱ
「ほんと、はさ…花恋のことどう思ってんの?」
俺の核心を突くように彼は聞いた
「どう、って言ってもな…。やっぱ記憶がねぇとさ、なんかこう…見えない距離ができるんだよな」
だって、あいつは俺のこと思い出せねぇんだもん。
「見えない距離…?お前は、それでいいのか?」
何度も言われてきた。
けど、俺にはそうするしかねぇんだよな…
「いいんだよ…。」
「お前、半分諦めてんだろ?」
…諦めてるよ。しょうがねぇだろ?
「しょうがねぇんだよ、あいつが選ぶのは俺じゃねぇんだよ…。」
あいつが選ぶのは…、透なんだ。
「お前が決めたことなら…しょうがねえか…」