偽りの翼Ⅱ




でも、裕翔は決められた道をたどっている。




生まれた時から、いや、男として命が宿った時から。





裕翔は、自分の人生に満足しているのだろうか?





俺はそう思い裕翔に聞いた





「裕翔は、満足してんの?…その、自分の人生にさ」




裕翔は遠くを見て言った




「そりゃ、最初は嫌だったよ。

でもさ、俺こういう道が定まってるほうがいいんだよな。

たとえ決められた道でもさ。

組を継げばいくつかできることってあると思うんだ。

まぁ、No.1ホストは無理かもだけど(笑)

真っ当に生きようと思えば生きれるし。

何不自由なく生きて行けるんだ。

それって、幸せじゃね?」




裕翔は壁を乗り越えたんだと思う。




今の俺にはそんなこと考えられないと思うから。




「そっか…。モノは考えようだよな…」





「そうだぜ。見方で変わる。俺の場合咲人さんと出会えてなかったらこんな考え方できなかったと思うし。」



咲人さんの影響力は、それほどだったってことだ。




「やっぱ、月影の総長はお前だから務まるんだな」 
     




人とちょっと境遇の違う彼だからこそ。








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