偽りの翼Ⅱ




何回も何回も話を重ね、手術は1ヶ月後に決まった。




運悪く、その日は李玖の転院日だった。





「ねぇ、李玖。…手術が決まったよ」





「成功、するといいな。」




彼はくるりと後ろを向いた






「うん…そう、だね。」





李玖の病気は治らないってきいた。




今、李玖はどんなかおをしてる?






その恐怖は私には計り知れなくて。




 

きっといつも闘っているんだと思う。






孤独や恐怖、絶望を見ないように。






それがどれだけ心細いのか。





私にはわからないけれど。





今までいくつの夜を涙で明かしただろうか?





そう考えると全身が震えた






< 308 / 360 >

この作品をシェア

pagetop