偽りの翼Ⅱ




このドラマに関わるたび、花恋のことを思い出す。




名前もそうだし…





内容もかぶるんだよな





「千尋くんよかった。なりきり感半端ないねぇきみ!」





監督はそう言う






「前から思ってたけどやっぱり千尋くんは向いているよ、この仕事!……この業界に入ってみない?」






彼女は俺にそういった





「いえ、俺は…。」




こう言われるのは何度目だろうか





そのたびに俺は断るんだ





やるのは楽しいけど、俺には俺の仕事があるから










「そう…。」






いつも監督は残念そうにする






それだけ俺を気に入ってくれてるってことだよな









そう思うと、ありがたい















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