偽りの翼Ⅱ
「千尋…ごめんね本当に。」
「謝ることなんて…ないだろ?」
俺がそう言うと、花恋は笑った
「俺らが失った時間は今の俺らにとってはとても長く感じられるけど…
これからを考えれば、なんてことないだろ?」
俺がそう言うと、花恋は泣いた
――相変わらず、すぐに表情が変わるやつ
花恋は全然変わっていなくて。
変わったのは俺らが大人になったことで。
「手紙、読んだ?」
「うんっ………だから、会いに来たんだよ?」
「そう、か……」
あのときから俺の気持ちは変わらない。
「花恋、失った時間を埋められるぐらいずっと一緒にいよう。……俺の気持ちは変わらない。」
「…………うん。」
「俺と、結婚して下さい」