偽りの翼Ⅱ
ブォォォォォォォオン
大きな音がしたあと、バイクは走りだした
「はやーいっ」
私ははしゃいでいた
少し後ろを見れば
怖いぐらいに人がいる。
「気持ちいーねー!」
風が。
うるさいぐらいのバイクの音も
なんだか、心地がいい。
私が、影を舞う蝶だったころ
暴走している族を見て思っていた
あんなの、何が楽しいんだって。
でもやっぱ、この気持ちよさは癖になっちゃう
桜風でした暴走よりも、
月影でする暴走のほうが、
何倍も気持ちいい。