偽りの翼Ⅱ
それから春が来て、夏が来て、秋が来て、
また、冬が来た。
それでもまだ隣に奏はいた
中学3年の冬、受験を控えていた俺達は
今度のクリスマスこそ一緒に過ごそうと計画を練っていた
……しかし、その計画は叶わなかった。
二人して風邪で寝込んだのだ。
〈ごめんね、奏。俺行けそうにないや…〉
〈ごめんね、千尋。風邪、ひいちゃった〉
送ったのとほぼ同時に来たLINE
送ったLINEはすでに既読になっていた
俺は笑った。
似たものどうしなんだって。