偽りの翼Ⅱ
俺は見つけたくてもお前の事を見つけられなかった
だから、諦めかけてたのに
『ごめんねっ…、ごめんね………――』
そんなに、謝られても。
俺は真実すらまだ知れていないのに
「…………俺の前に現れるなよ」
別にこういうことを言いたいわけじゃない
だけど、こう言わなきゃ俺だってやってられないんだよ
『お願い、話を聞いて…』
「なんで消えたんだよ、俺の前から。結局俺のことなんてどうでもよかったんだろ?」
『違うの、話が、したい……』
声が震えていて今にも泣いてしまいそうな奏。
「俺は話すことなんてねぇから」