偽りの翼Ⅱ

揺れる


〈花恋Side〉





「千尋くん?大丈夫?」




私は出て行ってから30分たっても戻らない千尋くんを心配してここまで来た




「ん?ああ、花恋…」




私に気づいた千尋くんはこっちをみて、夜空を見上げた




何か、あったのかな?




「なあ、花恋。大切な人が……いきなり消えたら花恋はどうする?」




「え…」




消える…?




大切な人が?




そしたら、私はどうするだろうか




「探す、かな?」




見つけるよ、きっと。




だって、もし今私の大切な誰かがこの場所から消えたとしたら私は探すもん




たとえいくら時間がかかっても。






< 52 / 360 >

この作品をシェア

pagetop