偽りの翼Ⅱ



つらかった、何も知らない千尋とずっといるのは。



でも、幸せだった。



千尋が大好きだったから



「2度目のクリスマス、風邪っていったのは嘘。………蒼と一緒に過ごした」




ほんとは千尋と一緒に過ごしたかった。




だけど断れなかったんだ




『奏。俺は、奏のことが好きだよ』



『うん、ありがとう』



私の心には千尋しかいないの



蒼は私の気持ちがそこにないことを分かっていたと思う





「正式に合体が決まったのは私が高校に入ってから3ヶ月目…7月の事だった」




その頃千尋ともあんまり上手く行ってなくて私には不安しかなかった




蒼には付きあおうと言われているけど千尋がいるのに浮気をするなんて出来なかった




だから言ったんだ




『私が高校2年になるまでは待って』



と。




それまでに千尋とのことも終わらせなきゃいけない




全てが私にとって重荷になった






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