偽りの翼Ⅱ
私だって、わかってるんだよ。
自分がどの立場にいるかだって。
だから、決めたんだよ。
別れるって。
なのに、なんでそうやって…
強引なことしてまで離したいの?
「携帯もお父さんが買ったものに変えられた」
『こんな携帯嫌!』
『お前がずっとあいつと付き合っていたからこうなるんだろう』
履歴もなにもかもお父さんが見れるようになっていたんだ
そこまでするぐらい、私は悪いことをした?
そんなにダメなの?
少しの自由すら私にはくれないんだ
「高校二年になってから蒼と付き合い始めた。蒼にもこのことは話した」
『電話、かけなよ、彼に。』
蒼はそう言ってくれた
『自然消滅なんて嫌じゃん』
そうやって携帯を差し出してくれた
「そして、電話をしたの…千尋に。」