偽りの翼Ⅱ
「そっか」
彼はそう言った
「なら、あの日々は嘘じゃなかったんだよな?」
何かを思い出しているんだろうか、懐かしそうな目で私に問う
「もちろんだよ、千尋。」
「なら、よかった。」
そう言って彼は笑った
本当に良かった、彼と話せて。
ふと、ウェイトレスと目があった
彼女は私のお目付け役だ
彼女に無理を言って家を抜け出しこの場所にいれるから
感謝しなきゃ。
ありがとう。
その意味を込めて軽く会釈をした
すると彼女は
そろそろお時間です
と私に合図を送る