偽りの翼Ⅱ



いつもだったら、そんな無責任なとか悪態をついてくるすーちゃんのお母さんも今日は何も言わずその言葉を聞いていた




「そう、よね。私もそんな気がするわ」




お腹を痛めて産んだ子ども。




大切に思うのは、幸せを願うのは当たり前のことだ。




私は小さい頃両親を亡くしたから、あまり両親のことを覚えていないけれど……




なんだか暗い雰囲気になってしまったので




私はバッグから、来る前に買ったお菓子の入った箱をすーちゃんのお母さんに渡した




「これ…すーちゃんに。供えてあげてくれませんか」




すーちゃんの好きなものとか覚えてなかったからお菓子にしたけど…




すーちゃんは喜んでくれるかな?




「ええ、わかったわ。ありがとうね。」




そう言うすーちゃんのお母さんはやっぱりいつもと違う




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