Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「つぅ~かさぁ~、アツシのヤツ、手ぇ早かったでしょ!!

付き合った日、いきなり手ぇ出したろっ?」

『え…ううん?』

ヒロトくんの質問に対して、あこは、首を横に振った。

「嘘つけー!!ヒャハハ~、アツシのヤツ、高校時代、手ぇ出すの早くて有名だったんだぜ~!

なっ、アツシ♪」

ヒロトくんは、あっちゃんを指さしながら、ケタケタと笑い出した。

「うわ~マジで止めろよ、ヒロト!そんな話すんじゃねぇよ!!」

あっちゃんは、焦った様に、ヒロトくんの口を手で塞ぐ様にして押さえ付けた。

でも、その手を振り払ってまで、ヒロトくんは話続けた。

きっと、彼のテンションは落ちるって事を知らない。

「だってさ~!!付き合った女とは必ず3日以内にヤッちゃう男だったんだぜ~!な~、アツシ!!」

「ヒロトーッ!!!」

テンションがおかしくなりつつあるヒロトくんに、エリの怒鳴り声が一発お見舞いされた。

「…へい。」

エリに怒鳴られると、がっくりと肩を落とすヒロトくんを見て、おかしくてたまらず、笑ってしまった。

『アハハッ、ヒロトくん、大丈夫!あこ、まだ何もされてないし!!』

何とも思わずに、自然と口から出た言葉だったけれど、ハッっとしてしまった。

ヒロトくんが、目をまんまるにしてあっちゃんをじっと見つめ始めた。

あっちゃんはと言うと、耳まで真っ赤になってうつ向いたまま、顔を上げようとしない。

え…何かマズイ事言ったかなぁ?

「あ…有り得ねぇ、有り得ねぇ…」

“有り得ねぇ”を何度も繰り返すヒロトくん。

「うるせぇよっ、ちょっとだまれ!!」

そんなヒロトくんの横で、あっちゃんはまだうつ向いたままだ。
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