Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
『だって…あっちゃんは、絶対にあこに手出さないじゃない…

あっちゃんのあこに対する“好き”は、妹みたいな“好き”なんじゃないかなって…』

「何言ってんだ?お前…意味が分かんねぇ!」

あっちゃんの優しい顔つきが、ちょっぴり変わり出した。

『じゃあどうして、キスだけなの?あっちゃんは、手出すの早いんでしょっ!!』

別に、焦ってるわけじゃない。

別に、早くキスの先に進みたくて、こんな事を言ったわけじゃないよ。

本当に、1人の“女の子”として見てくれているのか、その口から聞きたい。

あっちゃんの口から聞きたい。

…それだけ。
不安になってしまっただけ。

「………。」

あこの言葉を聞いたあっちゃんは、うつ向いて黙り込んでしまった。

何か言ってよ…その反応は、図星って事なの?

あこの不安とイライラはピークに達してしまった。

『もういいよっ!あこの事…まだ女として見れないんでしょ?

いいよ、無理しなくても!!…エリ達と遊んで来る…』

あこは、あっちゃんから逃げる様に、その場を立ち去った。

やっぱり…図星だったんだ…

だって、いつもなら、呼び止めて、追い掛けて来てくれるのに。

『えぇーりぃーっ!!ヒロトくーんっ!!

あこも混ぜて~!』

あこは、砂浜で追いかけっこをしているエリとヒロトくんの元へ夢中で走り寄った。
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