Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「OK~♪
ヒロトが鬼だから!逃げて~!!」

『ほーいっ♪』

あこは、エリの掛け声と共に、このモヤモヤした気持ちを振り切る様に砂浜を走り回った。

「も~キブ!!終了~!!」

「ハァーッ…やべぇっ、ハァッ…お前ら逃げ足だけは早えぇなぁ…」

『死ぬぅぅ~!!』

3人は、力尽きる様に、砂の上に倒れ込んだ。

砂浜で鬼ごっこは、足がとられてしまって、疲れは倍以上。

でも、乱れていた呼吸が整い出した頃には、さっきのモヤモヤした気持ちは少しだけ薄れていた。

「よしっ!暗くなって来たし、そろそろ帰るかぁ~!!

ほら、立て~!!」

ヒロトくんが、エリとあこの手をぐいっっと引っ張って、砂の上に立たせてくれた。

そして、さっきからずっとあの場所に座っている、あっちゃんへ向かって歩き出した。

『あっちゃん…さっきはごめんね…帰ろう?』

あこがあっちゃんの頭を見降ろしながら言うと、あっちゃんは急に頭を上げて、あこを睨んだ。

「ふざけた事ばっか言ってんじゃねぇぞ!!」

『あっちゃん?…』

ビクッ
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