Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
今まで見た事の無い、あっちゃんの鋭い目つきに体が一瞬こわばってしまう。

ジャリッ…

あこを睨み続けるあっちゃんから、一歩後退りしてしまった時だった。

『あっちゃん…?』

「お前…ふざけた事言ってんじゃねぇよ!!…何も分かってねぇんだな!」

『いっ…痛ッ…』

あっちゃんは、あこの右腕をググッっと凄い力で掴み掛って来た。

やだ!!あっちゃん、どうしちゃったの?

怖いよ!こんなのあっちゃんじゃないよ!!

『やだっ、離してよっ…』

あこが泣きそうになった、その時だった。

「お~っと!!何だ?何だぁ~?遂にケンカですかぁ~!ヒャハハハ!」

ヒロトくんが、あこに助け舟を出すかの様に、わざとらしく、明るく割り込んで来てくれた。

でも、あっちゃんの表情は一行に変わる気配が無い。

「悪ィ、ヒロト…今日はもう。マジで悪ィ、あこと話があんだ!」

「おぉ…じゃあ、また今度なっ!…エリ、行くぞ!!」

「えっ…でもあこがっ!!」

ヒロトくんは、やっぱりあっちゃんの親友なんだ。

あっちゃんのいつもと違う雰囲気を察したのか、エリを連れて、自分の車へ向かって行った。

エリは、心配そうな表情であこを見つめていた。

『あっちゃん、痛いよっ!離してっ…』
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