Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
あっちゃんは、泣いていたあこをひょいっと抱き抱えて、車へと歩き出した。

『あっちゃん?何…』

「いいから、黙ってろ!」

あこは、あっちゃんの腕の中で涙を拭った。

ガチャッ

すると、あっちゃんは、助手席側のドアを開けてあこを詰め込んだ。

そして、呟く様に一言だけ言った。

「やっぱ…帰すのやめた…」

『は?』

意味が分かんないよ…

あこ、嫌われたんじゃなかったの?

まだあっちゃんと一緒に居てもいいの?

そして、あっちゃんの車は、あこを乗せてあこの家から遠ざかって行く。

『……』

「…………」

会話は一言も交される事はなかった。

やっぱり車内には、EXILEの曲が流れていた。

しばらく走り続けて、車は停まった。

あっちゃんの家の前に停まった。

『えっ!今日、泊まってもいいの?』

「…………」

やっぱり今日のあっちゃんは変だ。

何も言わず、無言のまま、またあこを抱き抱えて玄関のドアを開けた。

ガチャッ

ドアを開けると、晩御飯の準備をしていたおばちゃんが、物音に気付いて玄関に顔を出した。

「あらっ♪あこちゃん、いらっしゃい!!

アツシ?ご飯食べて来たの?」
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