Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
なぜだろう…
泣きそうになってしまう。

お母さんとこんな風に真面目な話したのって、中学の時の高校受験と大学進学の時以来だ…

なんだかくすぐったい気分になる。

『えっ?そうかな?
別に我慢とかしてないよっ!』
あこはわざと明るく振る舞った。

お母さんはにっこり微笑みながら、首を横に振った。

「母さん、分かるのよ。
あこと、まこの母親なんだから(笑)
うちは、父親がいないから、寂しい思いをしたでしょうに。
何でも好きな物、ポンポン買ってあげれた訳でもないしね…」

『………。』
あこは涙目がバレないようにそっとうつ向いた。

「だからね、お姉ちゃんと相談して、あこがいっつも雑誌とにらめっこしてたこのバック。
奮発して買う事にしたのっ☆
大切に使ってね、あこ。」
お母さんは、お姉ちゃんとあこを大学に行かせるのも精一杯のハズなのに…
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