Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「おっ!意外と持ち上げられるもんだなっ!!」

『へぇっ??…やぁぁぁ~!やだっ、ちょっと!!』

一瞬の出来事だった。
あこの小さな体が宙に浮いてる。

何?何が起こったの~!?

「ハイハイ、維持けんな、維持けんなっ!!
…こーすりゃ、ヒロトより背ぇ高いだろっ?」

あこは、アツシくんに意図も簡単にヒョイッっと持ち上げられ、広い肩に担がれていた。


どぇ~!!

『ギャ――!!!
怖いって!!エリ、助けて~!!』

ビックリし過ぎたのと、よく分からない恥ずかしさで、あこは思わず大きな声を上げた。

「ギャハハハ~!アツシ!お前最高ウケるしっ!」

「ヒャハハハ~、あこ!良かったね~!
バカヒロトより背ぇ高いよ~?」

エリとヒロトくんを見ると2人共お腹を抱えて笑っていた。

エリの薄情物!!

「おし、しっかりつかまってろよ?」

『はぁっ?』

そして、アツシくんは、あこを担いだまま、自分の車へ行くと、器用に片手で運転席の後ろのドアを開けた。

「よ…っと…案外軽ィもんだな!
重てぇけどな!!」

そう言って軽く笑うと、あこの体をそっとシートの上に降ろした。

< 17 / 376 >

この作品をシェア

pagetop