Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
あっちゃんは無言で車を走らせていた。

車はエリの家の前で停まった様だ。

エリは車から降りる時に、言った。

「あこ!私、絶対に犯人探し出すから!
許せない…
あこの親には私から連絡しとくね?
…言わないから。心配しないで…?」

『……がと…』
あこはもう話す力も残っていないのか、体がくてんとしていた。
蚊が泣く様な声で返事をした。

そして…車はまた走り出した。

あっちゃんはずっと無言だった。

あこも一言も話さない。
そんな気力はない…

気が付いたら、またあっちゃんのジャケットにくるまれたまま、抱きかかえられていた。

《…どこに行くの?
…何処でもいいけど。もう…》

ガチャ…
何かのドアが開いた。
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