Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
サク…サク…サク…

一歩、また一歩。
まるで、真っ黒な海に吸い込まれる様に、砂浜を歩く。

冬の砂浜は湿っていて夏よりは歩きやすかった。

波の音しか聞こえない。

あこは静かに目を閉じた。


決めたんだ…
生きていたってあこにはもう何もない。

決めたんだ。

お母さん。
あこを産んでくれてありがとう。
でも、命を捨てる事を許してください。
お母さん、大好き。

あこの事、忘れちゃ嫌だよ?


お姉ちゃん。
いつも、あこに優しいお洒落なお姉ちゃん。
大好き。
生まれ変わってもあなたの妹でありたい。
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